お知らせ

トピックス!『口腔機能低下症』について

平成30年4月、診療報酬改定において新病名として「口腔機能低下症」 が収載され、保険で検査や治療が受けられるようになりました。「口腔機能低下症」を早期に発見・対策することで生涯に渡り食事や会話を楽しむことができます。そこで今回、当院の歯科衛生士より「口腔機能低下症」についてご紹介させて頂きたいと思います。

口腔機能低下症とは

口腔機能低下症とは、高齢者における口腔機能が低下していく状態を指します。口腔機能障害や咀嚼(そしゃく)嚥下(えんげ)障害とは異なり、早期発見、早期対応によって正常範囲内へと戻すために、診療室で検査・診断をして、継続して口腔機能管理を行い、機能改善や機能維持にすることを目的としています。2018年診療報酬改定で「口腔機能低下症」が正式な病名と認められ、多くの一般開業医でも測定が可能になりました。

20190227101733875_0001.jpg

検査項目について

検査項目は7項目あり、3項目該当すると「口腔機能低下症」と診断されます。

1.「口腔衛生状態不良」
舌苔(ぜったい)付着状態を評価します。口腔衛生状態が悪いと、肺炎などの感染症リスクが高くなることを理解してもらい口腔清掃への意識を高めてもらいます。

2.「口腔乾燥」
口腔粘膜水分量測定や唾液分泌量測定を測定します。唾液を作ること自体の機能低下、薬の副作用や病気が原因と考えられるものが口腔乾燥にはあります。

3.「咬合力低下」
天然歯または義歯装着時の状態で、咬合力(こうごうりょく)の測定や残存歯数で判定をします。
歯の欠損や義歯の不調は咬合力と強く関連します。食べる楽しみが減り食への意欲が減少し低栄養と相関すると報告されています。

4.「舌口唇運動機能低下」
「ぱ・た・か」と単音を発声してもらい計測機器で測定を行います。コミュニケーションが取りづらくなると外出を控え社会とのかかわりが減少し、食事形態が限定され栄養障害を起こします。

5.「低舌圧」
舌と口蓋(こうがい)や食物との間に生じる圧力を、舌圧測定器を用いて測定します。舌は発音、咀嚼、嚥下、呼吸など多くの機能に関与しています。舌は筋肉の塊であり全身の筋力低下や栄養状態に影響を受けやすいため、全身の運動や食事指導を行い、筋力低下を予防することが重要となります。

6.「咀嚼機能低下」
咬む力を判断する専用グミゼリーを30回咬んでもらい粉砕状態を判定します。
「切断・破砕・粉砕」機能の低下を判断し、歯が悪い、義歯があっていないことが原因なのか、口腔周囲筋の低下や感覚機能低下または口腔乾燥によっても低下を引き起こします。

7.「嚥下機能低下」
専用の質問用紙による調査を行います。加齢によって徐々に低下することが報告されています。食事形態の変更、食事量の減少、食事時間の延長、錠剤が飲みにくくなるなどの症状が嚥下機能低下症です。

sick_seki_ojiisan.gif

再評価について

6ヵ月ごとに再評価をして、6ヵ月前の状態と比較します。必要に応じ、生活・食事指導・口腔機能体操などの指導を行って口腔機能の悪化を予防します。地域在住高齢者では約60%が「口腔機能低下症」に該当するという報告があります。該当した項目の対応法だけではなく全身状態の評価も行い、高齢者の感染リスクを低下させるための栄養改善・維持につなげることができます。

健康で楽しい食生活のために、 気になる症状があればまずはお近くの歯科医院にご連絡し、検査を受けて、早めの発見と改善に努めましょう。 oishii8_obaasan.png
北九州古賀病院
〒811-3113 福岡県古賀市千鳥2丁目12-1 TEL. 092-942-4131